「おしゃれなイメージがある」「学んでみたいけど発音が難しそう」と、フランス語に対して、そんな印象を持っている人は少なくないでしょう。確かに、鼻母音や喉を使った独特のRの音など、日本語にはない発音が多いのも事実です。しかし、コツを押さえれば初心者でも着実に上達が可能。フランス語学習でつまずきやすいポイントを中心に、効果的な学習コツを紹介します。

つまずきポイントと対策
鼻母音
フランス語の特徴のひとつに、母音を鼻にかけて発音する鼻母音があります。たとえば [ɑ̃](アン)や [ɔ̃](オン)など、日本語にはない響きを出すため苦戦しがち。対策としては、鼻から息を抜くイメージで少し口を開き、響きを後頭部あたりに持っていく感じで練習すると感覚がつかめるようになります。
Rの喉音
英語のRとも違う、喉の奥を震わせる音がフランス語特有のRです。日本語のラ行ともまったく異なるため、最初は息がうまく出せず戸惑うことも多いでしょう。口をあまり開かず、喉の奥で軽く呼気を震わせるようにすると、徐々にフランス語独特のRの発音が身についていきます。
スペルと発音のギャップ
フランス語では、単語の末尾にある文字が発音されないケースが頻繁にあります。英語よりも綴りと発音の対応が複雑で、「見た目と実際の発音がまったく違う」ことも。そのため、音声を繰り返し聞いて覚えることが重要です。最初から辞書や教材を使って、単語と発音をセットで覚える習慣をつけましょう。
効果的な学習コツ
オンラインレッスンや発音専門アプリを活用
発音習得にはネイティブの発音を直接聞いて真似するのが一番の近道です。オンラインのマンツーマンレッスンや発音矯正アプリなどを活用すれば、自分の発音を客観的にチェックしてもらえます。特にAIアプリでは細かい発音のミスも指摘してもらえるので、自己流の間違った癖を早めに修正できます。
短くても毎日の継続
フランス語の発音は繰り返し口を動かすことで身につく面が大きいです。1日5分でもいいので、音読やシャドーイングを習慣化するのがおすすめ。鼻母音やRの練習を、鏡を見ながら行うと舌や口の形を確認しやすくなります。
フランス語の音楽や映画で耳を慣らす
教材だけでなく、フランス語のシャンソンやポップス、映画やドラマを取り入れるのも効果的。楽しみながら耳を慣らせるうえ、リズム感やイントネーションもつかみやすいです。興味のある分野で学習することでモチベーションも上がります。
独学を支える学習ツール
YouTubeチャンネル
FrenchPod101:基礎文法から会話フレーズまで、スモールステップで解説。発音のポイントを動画で確認しやすい。
Français avec Pierre:ボルドー在住のPierre先生が運営するチャンネル。初級から上級まで対応し、フランス語だけで教えてくれるため、留学しているような感覚を味わえます。街中レポもあり、気分転換にもなります。
アプリ・オンライン教材
Duolingo:ゲーム感覚で単語や文法を覚えられる人気アプリ。発音練習も取り入れやすい。
Busuu:学習コミュニティ機能があり、実際にネイティブ話者と交流しながら学べる。
ネイティブとの語学交換
アプリやSNSで語学パートナーを見つけ、フランス語を使ってチャットや音声通話をするのもおすすめ。発音のアドバイスをもらうほか、お互いの言語を教え合うことでモチベーションを高められます。
フランス語は鼻母音や喉音のRなど、日本語にはない要素が多いため、初心者が発音でつまずきやすいのは事実です。しかし、オンラインレッスンやAIアプリ、音楽・映画などを上手に取り入れて毎日少しずつ練習すれば、確実に成果が出ます。スペルと発音のギャップに慣れるためにも、文字と音をセットで覚える習慣をつけ、独特の響きを楽しむ姿勢で取り組んでみてください。初めは戸惑っていても、コツをつかんだ瞬間からフランス語がぐんと身近に感じられるでしょう。